「中古物件」の場合、ご所有者である売主さんが「居住中」であることが多く、
購入希望者である見学者は、契約するかもしれない相手といきなり面談することになります。
ちなみに、売主さんの「居住中」or「空家」の割合ですが、「居住中」の場合のほうが多いのです。
はじめてのことで勝手が分からないし、緊張される方もたくさんいらっしゃると思います。
最近は、みなさん礼儀正しく、マナーが良い方が多いので問題は少ないのですが、
いくつか注意しておいたほうが良い点がありますのでお知らせします。
以下は、一般の個人が売主の中古物件の見学でのマナーの一例です。
【予約を取りましょう】
見学に際しては、早めのご予約をお願いいたします。
売主さんにもご都合があり、いつでも見学OKな訳ではもちろんありません。
「今日、これから見学したいんですが・・・。」という方は意外とたくさんいらっしゃいます。
出来うる限り対応いたしますが、売主さんの都合がつかないことももちろんあります。
事前に分かっていたほうが、売主さんと都合も付けやすいですし、
見学に際しては、売主さんの方も掃除の一つもしておきたいものなのです。
【遅刻しないようにしましょう】
ご見学当日はくれぐれも時間厳守でお願いします。
もし約束の時間に遅れそうな場合は、必ず連絡をお願いします。
売主さんの都合もあるため、遅れる場合やキャンセルする場合は早めにご連絡をお願いいたします。
【物件内部を丁寧に見学しましょう】
物件内部を見学する際は、傷や汚れ、建物の構造的な問題などに目を向け、
細かいところまで注意深く見ていきましょう。
売主さんに質問をする際は、丁寧に対応しましょう。
【見学の場で価格交渉は控えましょう】
売主さんのいる前で、「価格はいくらになりますか?」
「値引きは出来るんですか?」などと問い合わせは控えましょう。
売主さんは、「少しでもいい条件(高値)で、良い方に売りたい」と考えるものですし、
買主さんは、「少しでも安く、お得に買いたい」と考えるものです。
「価格」は不動産取引にあってはもっともデリケートな要因です。
相反する利益のバランスを取り、調整するのが我々不動産業者の役割ですし、腕の見せどころになります。
きちんと別の場所で購入の流れと今後の進め方をご説明させていただきます。
どうか購入する意志を固めてから、是非私にご相談ください。
【ひと声かけてください】
室内の写真を撮ったり、閉めてある部屋のドアを開けたり、
2階へ上がったり、押入れや収納の戸を開けるときや、
電気をつける時、寸法を測るときなどは、「写真を撮ってもいいですか?」、
「開けてもいいですか?」、「見てもいいですか?」、
「電気をつけてもいいですか?」、「寸法を測ってもいいですか?」など、
ひと声かけてから動くようにお願い致します。
そのほうが売主さんが気持ちよく見せることが出来ますので、
よろしくお願いします。
最後、お帰りの際にも感謝の言葉「今日は、ありがとうございました。」も忘れずに!
【見学後のお返事は1週間を目途に】
見学の際、菓子折りなどの手土産の持参を心配される方も
多くいらっしゃいますが、「一般的には不要」です。
それよりも、しっかり見ていただいて、あとで見学の感想を
率直に売主さんへ伝えることも大切です。
売主さんは、見学当日に都合を合わせて立ち会い、
場合によってはお茶などを出していただく方もいらっしゃいます。
その時は、遠慮なくお茶をいただきながら、売主さんしか知らない
「建物や設備の状態」、「日当たりや騒音の問題がないかどうか」、
「学校・買い物、病院など近隣の街情報」などのお話を直接聞いてみてください。
そして、見学してよくご家族で話し合い、見学した物件が購入に値するか
お断りするかをきっちりと決断し、遅くとも1週間以内には
一度不動産会社を通じて売主さんへ返事することも大事なマナーだと私は思います。
見学に行ったっきり、なんの返事もしないという残念な行動は、
「この間のお客さんはどうだったのかな?返事はまだかな?」と、
きっと思われているに違いありません。
もちろん無理に購入する必要はありませんので、
お断りを入れる場合こそ、速やかに正直に返事を入れるべきなのです。
最終的なゴールは、売主さんにも良くて、
買主さんにも良い「Win-Win」の不動産取引です。
交渉事と捉えず、お互い相手の立場を尊重し、思いやりの心で相手に敬意を払えば、
きっと気持ちの良い不動産取引ができると思います。