~マイホーム購入・土地売却前に知っておきたい不動産の基本~
不動産情報を見ていると、たまに「市街化区域」「市街化調整区域」という見慣れない言葉に出会います。
特にマイホームを検討している方や土地を相続して売却を考えている方にとって、「何それ?」「どっちがいいの?」と戸惑ってしまうワードではないでしょうか?
この記事では、不動産を検討する上で避けて通れない「市街化区域」と「調整区域」の違いについて、やさしくわかりやすく解説します。
福山市内でマイホームの購入を考えている方、実家の売却を考えている50~60代の方にも役立つ内容です。
◆「用途地域」と「都市計画区域」ってなに?

そもそも「市街化区域」や「調整区域」という言葉は、「都市計画区域(としかいくけいかくくいき)」というエリアの中で使われる分類です。
都市計画区域とは、簡単にいうと「市街地をどう整備していくか、ルールを決めているエリア」のこと。
その中で、さらに「市街化区域」と「市街化調整区域」に分けて管理しています。
◆「市街化区域」とは?(読み:しがいかくいき)
● 将来的に家や建物をどんどん建てていくエリア
市街化区域は「ここは街として発展させるぞ!」と行政が定めた地域です。
道路や上下水道、電気などのインフラ整備が進んでいて、住宅地や商業地として開発が推奨されています。
市街化区域の特徴:
- 原則として、住宅・店舗・施設などの建築が可能
- 開発許可が比較的スムーズ
- 上下水道や電気など、インフラが整っている
- 将来的にも不動産価値が下がりにくい傾向あり
たとえば、福山市中心部の東深津町・南蔵王町・神辺町川北などは市街化区域に指定されており、住宅地として人気の高いエリアです。
◆「市街化調整区域」とは?(読み:しがいかちょうせいくいき)
● 家や建物をなるべく建てないようにするエリア
一方、市街化調整区域は「むやみに開発せず、自然や農地を守りましょう」という考えのもと、建築や開発が原則制限されているエリアです。
調整区域の特徴:
- 原則として新たな建築が認められていない
- 例外的な場合(農家の住宅など)を除き、開発許可が下りにくい
- インフラ整備が進んでいないことも多い
- 売却や住宅ローン審査の際に不利になることも
たとえば、福山市の山間部や田園地帯(加茂町・駅家町など)には調整区域が多く残っています。
自然豊かで土地も広い反面、「家が建てられない」「売っても買い手がつかない」といったデメリットもあります。
◆2つの区域、何が違うの?

ここで、わかりやすく違いを表にまとめてみましょう。
項目 | 市街化区域 | 市街化調整区域 |
---|---|---|
位置づけ | 市街地として開発 | 開発を抑える地域 |
建築の可否 | 原則OK | 原則NG(例外あり) |
インフラ | 整っている | 整っていないことも |
開発許可 | 取りやすい | 基本的に取りにくい |
不動産価値 | 安定しやすい | 資産価値が低めの傾向 |
◆マイホームを建てるならどっちがいいの?

結論からいうと、多くの人にとって「市街化区域」が安心です。
理由は以下のとおり:
- 住宅ローンの審査が通りやすい(調整区域はローン不可のことも)
- インフラ整備されていて暮らしやすい
- 将来売却しやすい(買い手がつきやすい)
一方、「自然に囲まれた家を建てたい」「農業を続けたい」という場合は、調整区域の方が希望に合うことも。
ただし、その場合は建築許可が下りるかどうかを事前にしっかり確認することが必要不可欠です。
◆土地の売却時にも大きな差が!
「親から相続した土地があるけど、そろそろ売りたい」
そんなときも、この区域の違いが大きく関わります。
● 市街化区域なら売却しやすい
- 買い手もローンを使える
- 住宅地として再利用されるケースが多い
● 調整区域なら注意が必要
- 建物が建てられないため、住宅用地としての価値が低い
- 買い手が限られる(農家や隣接地の所有者など)
特に、50代~60代で親の土地を受け継ぎ、「使わないから売りたい」と考えている方は、早めに区域を確認するのがベストです。
後になって「売れない土地だった…」と後悔しないようにしましょう。
◆区域はどうやって調べるの?

「うちの土地はどっちの区域なの?」という方は、以下の方法で確認できます。
① 福山市の都市計画図で確認する
→ 福山市のホームページにある「都市計画情報マップ」から、住所を入力して検索可能。
② 不動産会社に聞く
→ 土地を売却・購入しようとしている場合は、仲介会社に聞けばすぐに教えてもらえます。
③ 法務局や役所でも確認できる
→ 登記簿謄本や住宅地図などからも判断可能です。
◆まとめ|「市街化区域」と「調整区域」の違いを知って、賢く不動産を選ぼう

不動産は一生に一度の大きな買い物。
「家が建てられるかどうか」「売却できるかどうか」など、将来の選択肢を左右する要素の一つが、この区域の違いです。
マイホームを建てたいと考えている方は、まず市街化区域で探すのがおすすめ。
一方、相続した土地を売却したいと考えている方も、調整区域にある土地なら時間をかけた戦略が必要です。
福山市で不動産を探している、もしくは売却を検討しているなら、ぜひ一度ご相談ください。
地域に詳しいスタッフが、あなたの土地の区域や使い方についてもやさしく丁寧にご説明いたします。
